OpenAMと総合ID 管理システムとの連携で生まれる、ビジネスチャンス 3-3
SUMMARY
- B to C のITサービスを強化するなら、OpenAMと連携した統合 ID 管理システムの導入が不可欠
- 国内大手製造業も、すでにユニークなITサービスを展開している
- 統合 ID 管理システムをプラットフォーム化すれば、ブルーオーシャンが見える
シングルサインオン(SSO)を実現するOpenAM(オープンエーエム)は、ID 管理システムとともに活用するのが有益です。OpenAMと連携した統合 ID 管理システムの導入で得られるのは、効率化だけにとどまりません。導入によって生まれるビジネスチャンスをはじめとした数々のメリットについて、3回シリーズでご紹介します。
ITサービス事業を強化するなら、OpenAMと連携した統合 ID 管理システムの導入が不可欠
OpenAMのシングルサインオン機能を組み合わせた統合 ID 管理の導入について、意外なニーズがあります。それが、製造業によるITサービスです。
製造業界はアジア諸国との価格競争が苛烈さを増し、製品のライフサイクルが短くなり、さらに新商品を投入してもすぐに類似商品が市場にあふれるようになりました。
商品や機能だけでは差別化が難しい現在、商品や製品にサービスを加えて付加価値をつけた動きが生まれています。そのひとつが、ITサービスです。
最も顕著な例は、Apple社の iPod です。音楽を聞くためのハードウエアであるiPodに、音楽をダウンロードして楽しめるソフトウエア iTunes が付加価値を与えたことで、世界的な大ヒット商品になったのは記憶に新しいところです。
こういった製造業のITサービスは、ほとんどがB to Cビジネスです。顧客のIDをセキュアに管理するためには、OpenAMのシングルサインオン機能と連携した統合 ID 管理の導入が不可欠です。
国内大手企業も、すでにITサービス事業を展開している
ITサービス事業は、国内でも盛んになってきています。
国内におけるITサービスの例を見てみましょう。
-富士ゼロックス「Working Folder」
複合機メーカーの富士ゼロックスでは、「Working Folder」というIT サービスを提供しています。
インターネット上にデータセンターを設置したクラウド型のストレージサービスで、オフィスとモバイル端末でドキュメントを共有します。会社で作成した書類を外出先で開いたり、外出先で作成した書類をオフィスへファックスしたりすることができる仕組みです。
http://www.fujixerox.co.jp/solution/workingfolder/
-資生堂「ワタシプラス」
化粧品業界のリーディングカンパニー資生堂では、「ワタシプラス」というITサービスを提供しています。
美容のプロに無料で相談できるカウンセリングサービスや、ポイントプログラムなど、いくつかのサービスを「ワタシプラス」という総称で提供しているのです。
http://www.shiseido.co.jp/wp/index.html
資生堂の「ワタシプラス」のように、ひとつの企業が複数のサービスを提供する場合も、統合 ID 管理に組み合わせてOpenAMのシングルサインオンを導入すれば、利用者はいちどログインするだけで、複数のサービスを享受できます。
OpenAMのシングルサインオン機能は、ユーザビリティに富んだ機能です。OpenAMは、縁の下で、企業の好感度アップにも貢献します。
ライフスタイルを提供する企業に成長するために
製造業も、単に商品や製品を販売するのではなく、複数の商品を多角的に提案することで、ユーザのライフスタイルをデザインする時代になりました。
事例を見てもわかるとおり、このようなサービスには、サービス単位のIDよりも、むしろ企業ごとのIDが求められています。1種類のメールアドレスとパスワードを登録して、iTunesから音楽をダウンロードしたり、iPadを購入したりできる Appleや、同じく 1種類のメールアドレスとパスワードで、Android端末からITサービスまでが関連付けられる Google の手法が、その先例となります。
しかしながら、多くの企業 Web サイトでは、いまだに商品、製品、サービスごとにID登録を迫るサイトも少なくなく、ひとつの企業のなかでもIDが統合されていないのが現状です。
これまでのやり方を顧客サイドから見ると、同じ企業であるにもかかわらず、違う部署から似たようなDMメールが何回も届くといった、企業に対する好感度が下がるシーンも少なくありません。
B to Cに向けた企業サイトのIDを「顧客のライフスタイルを提案するもの」として捉えると、OpenAMと連携した統合 ID 管理システムの、新しい価値が見えてきます。
OpenAMと連携した統合 ID 管理システムをプラットフォーム化すれば、ブルーオーシャンが見える
これまで見てきたとおり、企業のITサービス事業を強化して商品や製品に付加価値を与えることで、ブルーオーシャン市場が見えてきます。
たとえば、OpenAMのシングルサインオン機能を組み合わせた統合 ID 管理システムをプラットフォームとして活用することができます。ITサービス事業を強化するための「統合 ID 管理システムのプラットフォーム」です。
-インターネット上に散在している顧客情報を統合管理し、CRMを強化する
-サイトのアクセスログを統合的に分析する
-ログイン認証は、シングルサインオンによって1回で済ませる
-個人情報などの情報登録も1箇所にまとめる
-顧客からの問い合わせ窓口も一元化する
こういったポイントを抑えながら、OpenAMと連携した統合 ID 管理システムをプラットフォーム化することで、新しい顧客の創出、ひいてはブルーオーシャン市場を現実的に手に入れることができるのではないでしょうか?