大量のリクエストを高速に処理する、高性能分散KVS、「KFEP」が知りたい 2-1
SUMMARY
- 「KFEP」は、かもめ独自の特許技術を元に、高性能な分散KVSエンジンとして、2010年にリリースされた
- 分散KVSは、スモールスタート可能で、スケーラビリティ(拡張性)に富んでいる
- 分散KVSは、複数台サーバでの運用が容易なシステム
かもめエンジニアリングの高性能分散KVSエンジン「KFEP」(ケイフェップ)は、かもめ独自の特許技術をベースに開発され、2010年にリリースされました。
その後「KFEP」は、大手通信会社様の数千万ユーザーの認証を高速に処理するといった場面をはじめ、幅広い用途でご活用いただいています。
分散KVSエンジン「KFEP」の特長は、次のようなものです。
―ごく安価なマシンを使用し、10台構成で秒間90,000以上の処理を実現する。
―無停止でサーバを追加・削減でき、スケールアウトが容易である。
―台数を増やすことで簡単に性能を向上できる。
このシリーズでは、「KFEP」を認証サーバとして使用した場合の性能についてご紹介します。
分散KVSの特徴と「KFEP」について
「KFEP」についてご紹介する前に、「KFEP」が採用している技術である分散KVSについておさらいしましょう。
シンプルな仕組みで、高速処理を可能にするKVS(Key Value Store)
KVS(Key Value Store:キー・バリュー型データストア)は、「Key(キー)」と「Value(値)」のペアからなるデータモデルに基づく、データストアです。「Key(キー)」を指定することでデータ「Value(値)」を取得する、いたってシンプルな仕組みです。
このシンプルな構造によって、スケールアウトが可能となります。サーバを追加することでパフォーマンスを上げ、高速処理を実現するのです。
スモールスタートが可能で、スケーラビリティ(拡張性)に富んだ分散KVS(distributed Key Value Store)
KVS(Key Value Store)が1台での動作が前提であるのに対して、複数のサーバや記憶装置などのストレージにデータを分散して保存できる機能を備えたものを、「分散KVS」(distributed Key Value Store)と呼びます。
分散KVSは、 複数台で性能と容量、耐故障性をまかないます。それによって、スモールスタートが可能になり、スケーラビリティ(拡張性)に富むことになります。
分散KVSは、複数台サーバでの運用が容易なシステム
データ管理方式のひとつであるRDB(Relational Database:リレーショナルデータベース)と、分散KVSを比べてみましょう。
RDBが原理的にスケールアウトが難しいのに対して、単純な構造である分散KVSは処理が高速であり、拡張性が高く、可用性もあります。
RDBと比較したKVSの特長をまとめると、次のようなものになります。
―複数台のストレージにデータを分散し、高速に処理
―処理も複数台のサーバに分散
―複数台のサーバで可用性も向上できる
ー複数台のサーバでの運用(データの同期、サーバの追加など)が容易
ひと言でいえば、分散KVSは、「複数台サーバでの運用が容易なシステム」といえるでしょぅ。
反面、分散KVSは、トランザクション管理が難しく、データの一貫性に保証がないという側面があります。
「KFEP」では、こういった性能に対するソリューションとして、データの一貫性を保つための仕組みを導入しています。「KFEP」の独自仕様が、分散KVSのデメリットを解消しているのです。
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